無害な吸血鬼リボーンさんサイド
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そうこう思っているうちに、日々に変化が訪れた。
まず、雲雀が現れた。
全く変わってなかった。
獄寺の様子がおかしかった。興奮していた。
獄寺の事を聞かれ、家族、と答えようとしたところで攻撃された。恐らくあれは雲雀流の挨拶なのだろう。
次に骸という奴が現れた。
獄寺を殺そうとした。
悪意に満ちていた。
オレは骸の首根っこを掴み海まで投げると獄寺を抱えて城を飛び出した。
「9代目。助けてくれ」
9代目は急に現れたオレに嫌な顔ひとつせずに直ぐに手配してくれた。
獄寺は三日、死んだように眠り続けた。
オレは骸を探すことにした。9代目も協力してくれた。
しかし骸は見つからなかった。
獄寺が目覚めてから暫くして、9代目の孫が現れた。
獄寺のことについて聞かれたので正直に答えたのだが何故か憮然とした顔を作られた。心を読んだのがいけなかったのだろうか。
その頃、オレは夜になると気が抜けるのか心の塞ぎが緩くなるようになっていた。無意識のうちに拳の力が抜けるのと同じだ。
夜も意識して、ではなく自然に寝れるようになっていた。獄寺が倒れている間はずっと起きてはいたが。
そういえば獄寺はオレが心を読めると知っても不愉快には感じなかった。だが心を読みながら会話をすると最後には何故か悲しんでいた。
翌日、9代目の孫が獄寺が起きないと騒いだ。
獄寺が一度眠ると丸一日起きないのは9代目も使用人もとっくに知っていたのであいつひとりだけが慌てていた。
説明したが、それでもあいつは「そんなのおかしい」と言っていた。
そうか。おかしいのか。これは。
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リボーンさんが人間世界の常識に気付き始めました。
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