仔犬獄寺くんと飼い主少年リボーンさん
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リボーンさん…
獄寺はうろうろと辺りを歩き回る。
リボーンさん…リボーンさん……
落ち着かず、不安が募り、あちこちをうろうろと歩き回る。
リボーンさん…リボーンさん……リボーンさん………
意味もなく。宛もなく。尻尾も落ち込み、床をずるずると引きずっている。
ああ、リボーンさんは毎日毎日どこへゆかれるのだろう。
獄寺は誰もいない空間が嫌いだった。
オレも連れてってください…置いて行かないでください……
獄寺はリボーンのいない空間が嫌いだった。
…一匹に、しないでください……
獄寺は寂しさのあまりにきゅん、と小さく鳴く。
………。
獄寺はてこてこと歩き出す。
…リボーンさんの、自室…
開いているドアから小さな身を滑り込ませる。
リボーンさんの、匂い…
部屋に広がる主の匂い。少しだけ、落ち着く。
リボーンさんの、寝床…
獄寺はリボーンがいつも眠っているベッドにぴょんと跳ねて飛び乗る。布団の中に潜り込む。
………おやすみなさい。
そして、リボーンのいない世界から逃げるように、眠りについた。
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リボーン、さん…
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