仔犬獄寺くんと飼い主少年リボーンさん
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どれくらいの時間が経っただろう。
こつこつと、靴音が遠くから響いて、獄寺の耳に入る。
!!
途端、ガバっと獄寺は身を起こし、ぴょんと飛び跳ねて、玄関へと向かった。
ガチャガチャとドアの鍵を開ける音。獄寺の胸が高鳴る。
タッタッタッタッ、と獄寺は駆ける駆ける。あっという間に玄関に辿り着く。
キィ…
リボーンさん!お帰りなさい!!
ドアの開かれると同時、獄寺は入ってくる人物に飛びつく。
「よう獄寺。迎えご苦労」
リボーンさん!リボーンさん!!
獄寺の機嫌は最高潮。目をきらきらと輝かせて、尻尾をぐるぐると振って、ぴょんぴょんとリボーンにまとわりつく。
「…お前はいつも元気だな」
リボーンさーん!!
多少呆れながらも、リボーンは獄寺を撫でる。その目線は自室の方へ。
「さて、今日はどうだ?」
待ってくださいリボーンさん!オレも一緒に行きます!!
歩き進むリボーンの後を獄寺も続く。リボーンは自室のドアを開けて中の様子を見た。
「……………」
リボーンさん!
きゃん!と獄寺は一声。対してリボーンはため息一つ。
「………はあ」
リボーンさん?
「…獄寺」
はい!
「今日もオレのベッド毛だらけにしやがって…何回言ったらベッドに入るなを覚えるんだ?」
…………………………は!!
「お前は他のことは一度教えると覚えるのに、どうしてこれだけはいつまで経っても覚えないんだ?あん?」
ドスをきかせて睨み付けるリボーン。獄寺は涙目になる。
ごごごごめんなさいいごめんなさいリボーンさん!つい、寂しくて…
きゅんきゅん鳴いて謝る獄寺に、しかしリボーンは非情に宣告した。
「じゃあ、今日もシャンプーの刑な」
いーやーーー!!!
++++++++++
でもまあ、なんにしろ理由付けてシャンプーするんだけどな。
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