仔犬獄寺くんと飼い主少年リボーンさん
5ページ/全10ページ


どれくらいの時間が経っただろう。

こつこつと、靴音が遠くから響いて、獄寺の耳に入る。


!!


途端、ガバっと獄寺は身を起こし、ぴょんと飛び跳ねて、玄関へと向かった。

ガチャガチャとドアの鍵を開ける音。獄寺の胸が高鳴る。

タッタッタッタッ、と獄寺は駆ける駆ける。あっという間に玄関に辿り着く。

キィ…


リボーンさん!お帰りなさい!!


ドアの開かれると同時、獄寺は入ってくる人物に飛びつく。


「よう獄寺。迎えご苦労」

リボーンさん!リボーンさん!!


獄寺の機嫌は最高潮。目をきらきらと輝かせて、尻尾をぐるぐると振って、ぴょんぴょんとリボーンにまとわりつく。


「…お前はいつも元気だな」

リボーンさーん!!


多少呆れながらも、リボーンは獄寺を撫でる。その目線は自室の方へ。


「さて、今日はどうだ?」

待ってくださいリボーンさん!オレも一緒に行きます!!


歩き進むリボーンの後を獄寺も続く。リボーンは自室のドアを開けて中の様子を見た。


「……………」

リボーンさん!


きゃん!と獄寺は一声。対してリボーンはため息一つ。


「………はあ」

リボーンさん?

「…獄寺」

はい!

「今日もオレのベッド毛だらけにしやがって…何回言ったらベッドに入るなを覚えるんだ?」

…………………………は!!

「お前は他のことは一度教えると覚えるのに、どうしてこれだけはいつまで経っても覚えないんだ?あん?」


ドスをきかせて睨み付けるリボーン。獄寺は涙目になる。


ごごごごめんなさいいごめんなさいリボーンさん!つい、寂しくて…


きゅんきゅん鳴いて謝る獄寺に、しかしリボーンは非情に宣告した。


「じゃあ、今日もシャンプーの刑な」

いーやーーー!!!


++++++++++

でもまあ、なんにしろ理由付けてシャンプーするんだけどな。