出会いの先の白い狂気
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「と言うわけで、来たぞ」

「?え?なにがどういうわけで?」

「深くは気にするな。それより具合はどうなんだ?」

「全然平気です!イエイ!!」

「そうか。なら帰って良いか?」

「ノォー!!!帰っちゃダメ!一人は退屈で退屈死しそうです!!」

「爆破地点の中心部にいても生き残ったじゃないか」

「それはソレ。これはコレ。です。ひとりはメーなのメー!!」

「…はいはい」

「ところで今日のお見舞い品は?」

「これか?」

「マシマロー!!隼人ちゃん大好き!愛してる!!」

「一ユーロで買える愛か…」

「んに?」

「いやなんでもない」

「?変な隼人ちゃん。でも隼人ちゃんって良い人だよね」

「あ?いや、結構悪人だ」

「悪人は怪我した人を放っとくよ?」

「一応オレの責任もあるからな。無関係なら放っとく」

「そうかなー…隼人ちゃんなら目の前に怪我した人がいたら何かしてくれると思うけど」

「お前の思い上がりだ」

「酷いなー」


ケラケラと白蘭は笑う。楽しそうに。可笑しそうに。


「…あ、ごめん隼人ちゃん。今日はこれから別の人がお見舞いに来てくれるんだ」

「そうなのか。じゃあオレは席を外した方が良いか?」

「うん。…ごめんね。隼人ちゃん」

「なに、構わねぇよ。じゃあまた明日来るな。白蘭」

「うん。楽しみにして待ってる」

「マシュマロをか?」

「マシマロと、隼人ちゃんを」

「…はいはい」


言って、獄寺隼人は退室する。

残されたのは白い人間がひとりだけ。