縁の下の苦労持ち
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「獄寺くんどうしたの?」

「10代目…いえ、何でもありません」

「そう…?なんか体調悪そうだけど…」

「そうですか…?」

「そうだよ」


きっぱりとそう言い放つ10代目に、そんなに自分の顔色は悪いのだろうかと少し心配になる。


「…本当になんでもないんです」

「…そう」


10代目はまだ何か言いたげだったが、結局何も言わないでくれた。

でも、本当になんでもない。

ただ…そう、ただ単に夢見が悪かっただけ。


たったそれだけ。


その程度で10代目に心配を掛けてしまったなんて、本当に情けない。

内心でため息を吐きながら、主務室を出る。

と、扉のところでリボーンさんと擦れ違った。


「おはようございます」

「ああ」


短い、けれどいつも通りのやり取り。

もちろんリボーンさんの帽子に血なんて付いてないし、恐怖も感じない。

オレはリボーンさんを見送り、それから業務に向かった。