縁の下の苦労持ち
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「ん?獄寺、今日は休みじゃなかったか?」

「リボーンさん」


アジトに戻り、部屋に戻る途中リボーンさんと会った。


「はい、休みですよ。ですので街まで買い物に出ていたんです」

「買い物?」

「ええ。武器の手入れをしようと思って、その道具を」

「真面目な奴だな」

「楽しいですよ。そういえばリボーンさん、さっきは何の用だったんですか?」

「さっき?」

「街まで出ていたでしょう?見掛けましたよ」


オレが先ほどの記憶を蘇らせながらそう言うと、リボーンさんはきょとんとした顔を作った。


「はぁ?お前は一体何を言ってるんだ?」

「え?」

「オレは今日はアジトに缶詰だ。お前だって知っているだろう」

「…街に出てないんですか?」

「ああ」

「…え?」


すると…オレが見たあの子供は一体誰だと…何だというのだろう。

今度はオレがきょとんとした顔を作ってしまった。あれは他人の空似というには、ちょっと。


「白昼夢でも見たんじゃねえのか?休みなのに休まねえからだ」

「そうかも…知れませんね……」


そう言うが、本当にそうなのだろうか。

あのリボーンさんは…本当はいなかったのだろうか。

釈然とせず、納得も出来ないがリボーンさんがそう言う以上そうなのだろう。

変な気分を味わいながら、オレはリボーンさんと別れた。


そしてそれからだった。

もうひとりのリボーンさんが、度々目撃されることになるのは。