縁の下の苦労持ち
4ページ/全9ページ
「ん?獄寺、今日は休みじゃなかったか?」
「リボーンさん」
アジトに戻り、部屋に戻る途中リボーンさんと会った。
「はい、休みですよ。ですので街まで買い物に出ていたんです」
「買い物?」
「ええ。武器の手入れをしようと思って、その道具を」
「真面目な奴だな」
「楽しいですよ。そういえばリボーンさん、さっきは何の用だったんですか?」
「さっき?」
「街まで出ていたでしょう?見掛けましたよ」
オレが先ほどの記憶を蘇らせながらそう言うと、リボーンさんはきょとんとした顔を作った。
「はぁ?お前は一体何を言ってるんだ?」
「え?」
「オレは今日はアジトに缶詰だ。お前だって知っているだろう」
「…街に出てないんですか?」
「ああ」
「…え?」
すると…オレが見たあの子供は一体誰だと…何だというのだろう。
今度はオレがきょとんとした顔を作ってしまった。あれは他人の空似というには、ちょっと。
「白昼夢でも見たんじゃねえのか?休みなのに休まねえからだ」
「そうかも…知れませんね……」
そう言うが、本当にそうなのだろうか。
あのリボーンさんは…本当はいなかったのだろうか。
釈然とせず、納得も出来ないがリボーンさんがそう言う以上そうなのだろう。
変な気分を味わいながら、オレはリボーンさんと別れた。
そしてそれからだった。
もうひとりのリボーンさんが、度々目撃されることになるのは。
次
前
戻