がんばれ☆ツナ父
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「じゅ、10代目!?」

「獄寺くん…そんな昔からシャマルに陵辱を受けてたんだね…それが当たり前と洗脳されてたんだね…その時にオレが、オレがついていたら…!!」


10代目が泣きながらオレを抱きしめた。


「もう大丈夫だからね!!オレが守るからね!!一生離さないからね!!」

「10代目………はい。ありがとうございます…」


オレも10代目を抱きしめ返した。


「………何やってんだ?お前ら」

「あ…ディーノさん」

「よう、跳ね馬」


気付けば呆れた顔で跳ね馬のディーノがこちらを見ていた。


「授業始めるぞー。さっさと教室に入れー」

「おう。…さ。10代目。行きましょう」

「うん、うん…」


10代目を促し、教室に入る。


「…どっちが保護者だよ」


そんなディーノの呟きが聞こえたような気がした。


授業は正直退屈でつまらない。ノートを取る気も起きない。

おひさまの光がぽかぽかと身体に当たり、眠気を誘う。


…………………。

……………。

………。


と、背中に何かがぶつかった。


「ん?」


折りたたまれた紙が落ちていた。なんだ?拾う。

紙を広げる。


「獄寺の三サイズは?」


「………」


自分の三サイズか。しかし残念なことにオレは自分の三サイズなど知らない。

オレは隣の10代目に話しかける。


(…10代目)

(ん?何?)

(オレの三サイズ、知ってますか?)


「ぶーーーーー!?」


10代目が吹き出した。


「つ、ツナ?どうした?」


跳ね馬が心配そうに声かける。


「な、なんでもない、なんでもないです……」


10代目がこちらを向く。


(ど、どうしたの、急に…)

(いえ…こんなものが先程…)


と、オレは10代目にメモを渡す。

10代目はメモを見て、一瞬で破り捨てた。


(10代目!?)


10代目の目は何故か怒りで満ちていた…

こ、怖い…

ガクガク。

オレは震えた。

授業が終わったあと、10代目は何故か山本をぶん殴っていた。

さて、次の授業は体育だな。更衣室に行くか。


「あ、獄寺くん更衣室に行くの?一緒に行こうー」

「おう笹川。行くか」

「…私も…」

「ああ」


クロームと笹川と一緒に移動した。

更衣室に入り、着替える。


「…獄寺くんって、肌きれいだよねー」

「そうか?」

「うん。…それに……」


クロームがつん、とオレの胸をつつく。


「胸も…きれい……」

「そうか。ありがとうな」

「ねえ、今度みんなで銭湯に行かない?」

「私…いい銭湯知ってる…割引券も持ってる…」

「そうだなー…今度行くか」


きゃー!と笹川が歓声を上げる。クロームも嬉しそうだ。


「洗いっこしようねー!!」

「お風呂上りのマッサージ機は…格別」


はしゃいでいる笹川とクローム。

楽しそうだ。


その日の授業はバレーボールだった。


「獄寺くん!そっち行ったよ!!」

「任せとけ!!」


コートから飛んでくるボール。それをアタックしようとジャンプする…と。

カシャカシャカシャカシャ!!!


「ん?」


シャッターを切る音が何度も聞こえた。

アタックしたあと見てみればカメラ構える男子が沢山。

なんだ?写真部か?

一呼吸おいて10代目がやってきてカメラを蹴って踏みつけていた。悲鳴が上がる。


「馬鹿野郎!!男ならカメラなんて惰弱なもの使わず脳内写真で永久保存しろ!!」


10代目はよく分からないことを叫んでいた。



そんなこんなで授業が終わった。帰り支度をする。


「10代目。帰りましょうか」

「ああ、うん」

「獄寺くん、またねー!!」

「おう、じゃあな笹川」


笹川に手を振り、教室から出ようとしたところで…誰かとぶつかる。


「ん?」

「こんにちは。隼人くん」


骸だった。他校の生徒だってのになんでこんなところにいるんだろう。


「授業が終わるまでずっと張り込んでました」

「そうか。余程お前は暇なんだな」


骸がオレの背に手を回し、力を入れる。