逆鱗
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ふと、目を覚ますと既に真夜中だった。

身を起こす…と、すぐ傍にあたたかな温もり。

そっと見れば、そこにはいつ来たのかリボーンさんの姿があった。

来て下さったのなら起こしてくれればよかったのに…いつも遠慮知らずなのに変なところで奥ゆかしいというかなんというか。


………。


明日の任務に出るのなら、朝まで待っていたら確実にリボーンさんに捕まってしまう。

出るなら…今か。

今なら見つかっても…まぁ、トイレとか言えば誤魔化せるだろうし。

オレはリボーンさんを起こさないようにそっとベッドから抜け出し、(そしてリボーンさんにそっと毛布を被せ、)病室から出た。

身体は多少軋むものの、我慢出来ないほどではない。大丈夫だ。

身体の動きを確かめつつ自室でスーツに着替える。

気配も足音も消し、アジトから出ようと玄関に移動する―――――と。


「こんな時間にどこに行くつもりだ?獄寺」

「…………………………」


玄関には…何故かリボーンさんが、とてもとても冷たい目をして、待ち構えていた。