逆鱗
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「獄寺、獄寺!!」
…誰かの声が聞こえる……
リボーン、さん…?
目を開けると、思った通りリボーンさんがいた。
…何故か涙声で、泣きながら。
「ああ…よかった獄寺、目が覚めて…!!」
「リボーンさん…」
何故リボーンさんは泣いているのだろう。
疑問に思いながら身を起こそうと腕に力を掛けると、そこから激痛がした。
「………!?」
「馬鹿!お前両腕足折れてんだぞ!!」
両、腕足…?
見ればオレの両腕と両足にギプスがはめられていた。
…一体何故に…
と、オレの脳裏に映像が流れた。
笑うリボーンさん。
オレの腕に、足に指を這わせて―――…
……………。
…思い出した…!!
「り、リボーンさん!?」
「なんだ!?犯人でも思い出したか!?」
「…は、犯人…?」
「そうだ!お前をこんな目に遭わせた犯人だ!!」
「………」
「まったく、一体どこのどいつだオレの獄寺をこんな酷い目に遭わせたのは!!見つけたらただじゃおかねぇ!!」
「……………」
リボーンさん…もしかして……覚えてらっしゃらない?
「どうした獄寺」
「いえ、その…あの、オレを見つけたのは…」
「オレだ…オレが起きたら既にお前は…うう、オレはお前が酷い目に遭わされているってのに暢気に寝てて!!オレは、オレはああああああああああ!!!」
「り、リボーンさん落ち着いてください…」
………。
どうやらリボーンさんは…覚えてないようだ。
……………。
美しい誤解はそのままにしておいた方がいい。と有名な魔女も言ってるしな。
この事は…オレが墓穴まで持って行こう……
「お前が完治するまでオレが世話するからな!!またお前を狙う奴が来たらぶっ殺してやる!!」
「あはははははははは…ありがとうございます……」
絶対にばれないようにしなければ…とオレは乾いた笑いを零した。
教訓。リボーンさんは絶対に怒らせてはいけない。
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一見可愛らしい女の子だけど、怒らせると超怖いわこの人。
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