獄寺くんがクラスの女子に合コンに誘われたみたいです
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「な…なんだ?合コンって、何なんだ?」
「普通に死人が出るよ」
「!?」
獄寺は驚愕した。死人て。平和なはずの日本でこうも軽々しく死人て。
嘘…なのだろうか?しかし雲雀はシャマルと違いそんなことを言うキャラではない。ならば本当?なら誘ってきた女子の真意は…
「…さっき」
「ん?」
「さっき…シャマルに"オウサマゲーム"だけは絶対するなと言われたんだが…これについてどう思う?」
「………あの男と同意見なのは癪だけど…その通りだね。あんな人権を無視した悪趣味な催しはなくすべきだ」
シャマル、まさか真実を告げていたのか!?
獄寺の身体がわなわなと震える。今更ながら事態の重さを知り潰されそうになる。
「…まあ、キミが参加しないというなら見逃すよ。キミは合コンについてよく知らなかったみたいだしね…」
雲雀は獄寺の肩を軽く叩いて去った。あとには獄寺が残った。
獄寺は急いで教室に戻る。確認するまで信じられなかった。
「お、おい、笹川!」
「あ、獄寺くん。なに?」
「ご…合コンの件なんだが…」
「うん、どうする?やっぱり駄目?」
「い、いや、その前に確認だ……合コンって…危険なのか?」
「え?」
京子が目を丸くする。その様子を見て獄寺も疑問を持つ。
「さっき知り合いに合コンについて聞いたら危険だと…人生狂うとか、死人が出るとか言われたんだが……」
「危険?集まってお喋りするだけで何が危険なの?」
逆に聞かれてしまった。少なくとも京子はそういう行事だと信じているみたいだ。聞き方を変えてみるか。
「…雲雀に合コンの話をしたら怒ったんだが、合コンって風紀を乱すものなのか?」
「あー…雲雀さん厳しいものねー」
京子は苦笑して、
「合コンって、大人の人はお酒を飲むの。だから合コンって聞くとお酒ってイメージを持ちやすいの。それで怒ったんじゃないのかな?」
未成年の飲酒行為…なるほど、規則大好き雲雀の嫌悪しそうなことだ。
「今回の合コンで酒は出るのか?」
「出ないんじゃないかな。私たち未成年だし」
ちなみに獄寺は飲酒行為をしたことがある。イタリアで。一応言い訳をしておくと寒さを凌ぐために飲んだ。あと普通に勧められたから飲んだ。黙っておこう。
「じゃあ…まあ、いいか……」
笹川の話からして危険もなさそうだし、と思うと京子は笑う。
「風紀委員の人たちにはバレないようにしなくちゃね。やっぱり見つかったら怒られると思うし」
「そこまでしてやりたいものなのか?合コンって」
「うん。だって獄寺くんの歓迎会だし」
「あ?」
思わず京子を見直せば、京子はいつもの笑顔で。
「本当は獄寺くんが転校してきてすぐにしたかったんだけど、出来なくて…時間だけが過ぎちゃったんだ。でもみんな、本当は獄寺くんの歓迎会したいって思ってたの」
「………」
自分はあんなにも周りを邪険に扱っていたというのに…みんなは自分を思ってくれていたなんて…
獄寺は感激した。
「どうかな?」
「…仕方ねえなあ。分かったよ」
「本当!?よかったー!」
ぱっと笑顔の花を咲かせる京子。クラスも何故か湧いた。みんなノリがいい。
と、そこにツナが教室に戻ってきた。みんなのざわめきに戸惑っている。
「…ど、どうしたの?みんな」
「あ、ツナくん。この間話した合コンに、獄寺くんも参加してくれることになったの!」
「えー!!」
ツナが驚いた。わなわなと震え、獄寺を見る。
「獄寺くん!」
「はい!以前10代目が仰られていたようにもっと周りに目を向けてみようと思いまして!!」
「………っ!!」
ツナは何か言いたげに口を開き、しかし獄寺の台詞から自分の発言も関係あると知り、何も言えなくなり、項垂れた。
「オレのせいか…!!!」
「じ、10代目!どうなされましたか!!」
「く…これで…これでクラス中に獄寺くんの連絡先とかが知られる…!!オレの唯一の自慢の獄寺くんの連絡先が何の意味もないものに…!!」
「いや他にも自慢出来ることありますよ10代目!!」
思わず獄寺は突っ込んだがツナはやはり聞いておらず、顔を上げ、
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