母子
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「人の母さん困らせないでくれる?」


と、背後から聞きなれた声が。

獄寺が振り返ると、そこには声の通りにボンゴレ10代目ことツナがいた。


「10代目!!」


獄寺が笑顔で迎え、ツナをむぎゅーと抱きしめる。


「母さん、大丈夫?セクハラされなかった?」

「せくはら?」

「セクハラも知らない母さん萌えーーー!!」


ツナは獄寺を抱きしめた。


「楽しそうなところ悪いんだけど、僕たちまだ話があるから」

「妄想の間違いでしょ」

「そうそう、ここからは大人の時間なのですよ」

「お昼から八百屋が何言ってるのさ」

「お姉様…」

「クローム…帰っておいで」


哀れみを込めた目でツナが言う。

やれやれとため息をひとつこぼし、ツナは獄寺の手を取る。


「買い物は終わったんでしょ母さん。帰ろう」

「そうですね」


二人が帰ろうとする。


「あ、ちょっと待ってください…」


すかさず骸が声をかける…が。


「オ・レ・た・ち・は・か・え・る・の」


ツナが振り返り、にっこりと微笑みつつも青筋を立てて言い放った。

ツナの全身から覇気が満ちる。骸たちの肌にピリピリとした感触が張り付く。


「じ・ゃ・ま・し・な・い・で」


にっこり。


「く…クフフ。お気を付けて」


骸は引いた。


「さ、帰ろうか母さん!!あ、オレ荷物持つよ!!」

「そんな、大丈夫です!!10代目にお手を煩わせるようなことはできません!!」

「オレが持ちたいのー!!」


キャッキャウフフと笑い合いながらツナと獄寺は歩いて帰った。

後には百合に目覚めた三人だけが残った。