白銀の麗人
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「…痴話喧嘩はそこまでにしたまえ」
―――と、第三者の声に。オレの動きは止まる。
…いや、第三者といってもその人物はずっと部屋にいたんだけど。
10代目の登場があまりにも凄すぎて。正直忘れてた。
オレは今までの10代目との会話を軽く思い出し―――軽く絶望した。
「ああ、失礼?けれど酷いね。人の秘密事を誰彼構わず言い放つなんて」
その秘密を誰彼構わず広めたのは貴方です10代目。
「オレは怒ってるんですよミスター?ボンゴレの資料を盗んだ事、そして何よりオレの恋人に手を出した事。ボンゴレは貴方を許しません」
私情が入ってますよ10代目。
「は…恋人といっても、本命ではないくせに!」
「失礼な。本命も本命。大本命ですよ彼は」
「………は?」
ああ…せっかく今まで誤魔化していたのに…一応。
しかし奴がそのことを理解出来たかは不明だった。10代目がいつの間にか手にしてた銃を撃ったから。
「さっきの二件の他にも、うちの部下との争い、ボンゴレと敵対関係にあるファミリーとの交流関係も知れたしね。まぁ念には念をということで…」
良い牽制になったと。10代目は笑った。
「今頃リボーンたちの手によって他の客人たちはボンゴレの管理化に、その事にここの部下が気付いた時には、ファミリーの命ごと全部終わってる」
これでこのファミリーは壊滅、ここが集めたファミリーはボンゴレが総攫い。……なるほど、巧いやり方だ。
「それもこれも、獄寺くんがボスの気を引いてくれてたからだよ。……ありがと、獄寺くん」
頬に音を立ててキスされる。―――ああ、そうだ、オレはこの人にずっと着いていこうと思…
「まぁ、本音は獄寺くんのそのドレス姿が見たかったのが主なんだけどね。うん。よく似合ってるよ獄寺くん」
前 言 撤 回 。
「10代目!オレが一体どんな思いでこんな格好したと思ってるんですか!!」
「あはは。ごめん、ごめんね獄寺くん」
「許しません!!今度こそ絶対です!暫く距離を置きます!!」
「あ、ごめん!ごめんよ獄寺くんー!!」
「知りません!10代目のバカ!!」
―――頼むから終わって下さい。
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このあと色々あって無事仲直りしました。
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