Inconsolableness gathers you in it which is admirable when I watch you who are going to spin happiness desperately.
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獄寺くんが倒れたあと。オレたちは駆けつけた二人と共にDr.シャマルの元へと急いだ。

服を取ってみると、獄寺くんの身体はそれこそ傷だらけで。…オレは血の気を失って。

治療だとシャマルは獄寺くんを連れて行き。…辺りに重苦しい雰囲気が漂って。

そういえばと、オレは何かを誤魔化すかのようにディーノさんに聞いてみる。


「…ディーノさんは獄寺くんに用があるって、それで日本に戻ってきたんですよね。…なんだったんですか?」


その言葉を聞いたディーノさんの表情が微かに強張る。…?それほどおかしいことを言ったのだろうか。


「それは―――」


口篭るディーノさん。何故だか感じる嫌な予感。


「スモーキンを止めに…来たんだ」

「止める…?」


分からない。止める。情報が少なすぎて。どうにも意図を汲みこめない。


「…まさか、例の馬鹿計画じゃねぇだろうな」


リボーンの言葉に目線を逸らすディーノさん。…馬鹿計画?


「ったく、…道理で何かがおかしいと思った」


リボーンには通じたみたいだ。しかしオレには分からない。一体何が起きているというのか。


「…?リボーン、一体なにさ。計画って」

「お前は知らない方が良い」


問い掛けるオレにリボーンはあっさりと切り離す。しかし引き下がれない。


「知らない方がって…何だよそれ!そりゃオレは部外者かもしれないけど、でも…!」


それでも知りたいと思うのは罪なのだろうか。彼が、獄寺くんが苦しむ理由を知りたいと思うのは。

口を開く様子のない二人に思わず泣きそうになる。所詮オレごときがかなう相手ではないのだ。

しかし助け船は思わないところから来た。背後からドアが開いて人数が増える。


「…部外者ってことはねーんじゃねぇの?仮にもそいつはボンゴレ10代目で、隼人の主だ」

「Dr…シャマル……?」


意外な人物からの意外な言葉に思わず目を見張る。彼はオレをそのどちらとしても認めていない。


「お前にこそ関係はねぇだろシャマル。黙って獄寺の治療でもしていろ」

「うるせーよ。治療費まけてやるからオレにも話せ。関係はなくとも知る権利ぐらいあるだろ」


シャマルの言葉にやれやれと溜め息を付くリボーン。そして―――


「…話してやれディーノ。オレもあの計画のことはそんな詳しくねーんだ。中止になるだろうと踏んでたからな」

ディーノさんはその言葉に顔を歪ませて…


「分かったよ」

何かを諦めたかのように、そう言った。



「話す前にツナ。最後にもう一度だけ確認だ。…というよりも警告だな。オレはお前にこの話を聞かせたくねぇ」

「………」


真直ぐと見てくるディーノさんの目をしっかりと受け止める。オレは彼の、獄寺くんの話を聞きたい。



「…オレは、引くつもりはありません」



強い口調でそう言ってやる。オレの意思を伝えてやる。


「―――そうか。…じゃ、話すよ」


暫しの間のあと。ディーノさんはようやく重い口を開いた。


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知ってはならぬと。知らない方が良いと。彼はそう言った。

何も知らずにこのまま生きていけたなら。そうして彼がこのまま治ってくれたなら。もしかしたらそれは理想で。

…けれど。このとき既にオレはなんとなくもう分かっていた。


―――――そんな都合の良いこと、起きるはずがないんだって。