初恋
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獄寺が目を覚ますと、そこはリボーンが寝かされている病室だった。


「………?」


微妙に重い頭を押さえながら身を起こす。獄寺は眠るリボーンが起きるのを待つうちに眠ってしまったらしい。

夢を…見ていた。

どんな夢だったかと頭を巡らせる。

そして思い出した。


「!?」


慌てて獄寺はリボーンを見た。リボーンの胸元はゆっくりと呼吸の動きを見せていた。

生きている。

それをそうだと認識し、獄寺の力が抜ける。そうか、全ては夢だったんだ、と。

と、リボーンが微妙に顔をしかめてゆっくりと目蓋を開けた。続いてゆっくりと目線を動かして獄寺を見た。


「獄寺…?」


小さな声。だけど確かにリボーンの声。それがまた聞くことが出来るだなんて。


「リボーンさん…」


獄寺は感激のあまりに涙した。それを見てリボーンはぎくりと身体を強張らせた。


「ど、どうしたんだ獄寺?何か嫌なことでもあったのか?」

「いいえ…むしろ嬉しいことが。それよりリボーンさん、お身体の調子はいかがですか?」

「ん?ああ…だいぶ楽になった。今は痛みも感じない」

「よかった……」


獄寺は安堵し、胸を撫で下ろした。よかった。本当によかった。


「…?なんだ?ああ、そういえば獄寺、まだ今日の告白をしてなかったな。好きだ。オレと付き合ってくれ」

「ああ、そうですか。ごめんなさいリボーンさん」

「……………」

「…と、言うつもりでしたが……」

「…?」

「いいですよ」

「本当か!?」


よっしゃー!とリボーンはガッツポーズを取った。年相応の喜び方で、見ていてとても微笑ましかった。


「ええ。あなたが元気になったら、買い物でも何でもお付き合いいたしましょう」

「いや、違う獄寺。そっちの意味じゃない」


即座に間違いを訂正させようとするリボーンだったが、獄寺は聞く耳を持たない。


「…それと、リボーンさん」

「なんだ?」

「……ずっと前から思ってたんですけど…その言葉使い、何とかなりません?」

「?」


本気で分からないと言った風にリボーンが小首を傾げる。獄寺はため息を一つ吐いて、


「せめてオレとか…それだけでも直して下さいよ」


あなたは女の子なんですから。


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直したら付き合ってくれるか?

それとこれとは別のお話です。