ハヤトメロディ
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ハヤトの朝は、子供が生まれてからちったいハヤトを抱き締めることで始まる。

…のだが、この日は初めてそうならなかった朝だった。


「むー?」


ちったいハヤトは覚悟をしていたのになんだか拍子抜けで。でも最初はそんなこともあるかと楽観していた。

でもハヤトがちったいハヤトを抱き締めなかったのには理由があって。


「ふみ…くちゅん、くちゅん、…くちっ」

「…まったく。大丈夫か?ハヤト」

「もう…起きたら熱があるなんて…今日は一日安静していなよ?」


ハヤトは軽い風邪を引いてしまっていた。ぽーっと赤い顔をしながらベッドの中で横になっている。


「うう…ごめいわくを…くちゅん、おかけして…」

「気にするな」


ぽんぽんとリボーンはハヤトの頭を撫でる。


「じゃあオレはもう出るが…雲雀。ハヤトと子供を頼んだぞ」

「分かってる。任せて」


リボーンは今、なんか凄いことを言った。

リボーンは今、自分の妻を若い独身男性に任せると言った。

かなり凄い光景だが、しかしなんの問題もない。

何故なら雲雀は既に誰にも男性として見られていないからだ。

ついでに本人も、最近はその事をすっかり忘れている様子だ。


「…それじゃあハヤト。行ってくるぞ」

「あ…はい、リボーンさん…行ってらっしゃいませ…」


ハヤトはそう言うがどことなくなんとなく何かをねだっている雰囲気だった。


「…なにかしてほしい事でもあるのか?」

「あ、あああ、あの、その…でも……ううう…」


ハヤトはかなり悩んでから、いってらっしゃいの挨拶がしたいです…と小さな声で呟いた。


「朝の挨拶…?ああ、あれか」


リボーンはそう言うとハヤトにそっと口付けた。


「…行ってくるな」

「はい…」


リボーンはちったいハヤトの頭も撫でてから出社していった。

ちなみに雲雀は、それまでの十数秒の時間でなんか汗だくになっていた。


「…この空間は熱すぎる…」