ハヤトメロディ
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そんなツナの我が儘があって、その日の仕事はかなり早めに終わり職場内で「ハヤトとリボーン婚約おめでとうパーティ」が開かれたりした。

まぁパーティとは名ばかりでその実体は「ハヤトが取られてこんちくしょー!今日は自棄酒パーティだ!」みたいなものだった。


「ええーい、ハヤトおめでとー!リボーンはくたばれ!この馬鹿ー!!」

「お前、早速酔ってるのか?」

「ご婚約おめでとうございますハヤトくん。お幸せに」

「えへへ、骸さんありがとうございます!」


ぺっかーと眩しいほどの笑みを骸に向けるハヤト。

それからも姉のビアンキや仕事仲間のランボなどに祝福の言葉を貰う二人は幸せそうだった。


「って、リボーン、よく見てみたら飲んでないじゃん」


すっかり酔いが回ったツナは目敏くリボーンのグラスに目を向ける。そこに注がれてあったのは烏龍茶だった。


「…あのな。オレが飲んだら一体どうやって寮に戻るんだ?」

「ここに泊まればいいじゃない!ったく、どうしても飲まないって言っても無駄なんだから!!」


言うが早いがツナはリボーンに向けて自分のグラスの中身をリボーンにぶちまける。

リボーンは本当は避けれたのだがそうすると後ろのハヤトが被ってしまうので避けなかったのだ。

しかしそのおかげでリボーンの衣服にはアルコールの染みが出来てしまった。


「…ほら、これで運転は出来ないでしょー!アルコール分は摂取されなくても疑いの目はかけられるよー?大人しく餌食になれ!!」


酔いが回ったツナに抵抗するのは無駄だと悟ったのか、リボーンはため息を吐き酒瓶を手に取った。


「……………はぁ、仕方ないな…」


翌朝。


「…つーか、タクシー呼んで帰ればよかった…」


と、朝一番に目が覚めたリボーンが呟いたのは、胸の中で気持ちよさそうにすやすやと眠っているハヤトにすら内緒の話。