ある日の悲劇
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「…誰?」

「獄寺くん近付ちゃ駄目だよ。この人は凶暴だから近付くと怪我するよ」

「そうなの!?」

「…なんだか酷い言われようなんだけど…何。キミ僕のこと忘れちゃったの?」

「えーと、悪い…」

「ふーん。じゃあ教えといてあげるけど。キミと僕は婚約してるんだよ


だからまてや。


「な、なんだって!?」

「だから信じないで獄寺くん!!」

「実はもうも入れていて…」

「えぇ!?」

「ほら。これが証拠の書類」


ってうわ本当だ!なんか婚約届けに二人のサインが!!


「…まぁ、これは風紀の連中に作らせた偽造書類なんだけどね」


ややこしい真似しないで下さいっていうか偽造は犯罪ですよ雲雀さん。


「へぇ。どうやら本当に忘れちゃったみたいだね。何があったのさ」

「それがオレにも…」

「あー、オレが知ってるぞ」

「シャマル!」

「実は…」

「隼人!!」


って今度はビアンキ!?ああもうオレの部屋がどんどん大所帯に!!


「って駄目だビアンキ獄寺くん逃げてーって、あれ?」

「………誰?」


あれ?獄寺くん無事?

そうか…記憶がないから反応もないんだ。


「隼人!お姉ちゃんよ!?分かる!?」

「おねえ…ちゃん?」


―――きゅん!


あ、ビアンキが獄寺くんに魅了された。


「照れる隼人も可愛いけどこれはこれで超良い!!!

「はれーっ」


ああ、獄寺くんがビアンキにぶんぶか振り回されてる…


「そうだ!お姉ちゃんの作ったお菓子でも食べながらお話しましょう!?それできっと思い出すわ!」

「は、はぁ…」


ああ、獄寺くん頷いちゃった。そしてビアンキに連れ去られちゃった…


「―――ってやばい!早く連れ戻さないと!!」

「放っとけ。ボンゴレ坊主」

「シャマル!?でも…」

「記憶喪失ってのは、大体同じような衝撃を与えれば戻るもんだ」

「……へ?それって…」

「…隼人な。お前さんを待ってる間、ビアンキちゃんに捕まって無理矢理クッキーを……」


うわー…悲惨ー。


「――って、あれ?シャマルなんでそんなこと知ってるの?」

「ん?そらお前オレのモスキートの中に隼人の監視を兼ねてる奴もー…ん。げほげほ」

「へぇ…」

「…じゃっオレ帰るから隼人によろしくな!」


ガシッ


「ちょいまてや親父」

「…ふーん。あの子の監視、ね…」

「すこーしばっかり。付き合ってもらおうかな」

「いやいやあっはっは。オレは女の子と隼人以外の頼み事は聞かない主義だから残念だな」

「うん。まぁシャマルに拒否権はないから」

「おいおいボンゴレ坊主。何さらりと恐ろしいこと言ってるんだ」

「まぁまぁまぁまぁ」

「ちょ――」


そんなわけで。その日、並盛に盛大な悲鳴が上がったとか上がらなかったとか。


++++++++++

よし!ストーカー一匹撃破!!