彼の本質
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「リボーンさん…大丈夫ですか?何かされてません?」

「オレがツナに何をされるってんだ」

「じゃあ…以前と、何か変わったこととか」

「変わったことか……」


ふむ。と考えこむリボーン。

ツナは何故か緊張しているように固まっている。


「そうだな…そういえば、添い寝を提案されたことがあったな」

「添い寝!?」


キッ!!とツナを睨む獄寺。


「ちちち違うよ獄寺くん!!ほら、呪いが解けて、何が起こるか分からないからさ!!リボーンいつもハンモックで寝てるけど、寝返り打って落ちたら危ないし!!」

「………」


不信感を全て拭えないが…一応納得する獄寺。


「リボーンさん…他には、なにか」

「ふむ…ツナとよく風呂に入ってんだけどな。頭とか身体とか洗おうかと言われるようになったな」

「10代目どういう了見ですか!!」

「だからリボーンの呪いが解けたからさ!!オレも気が気じゃないんだよ!!何が起きるか分からないから!!」

「……………」


ツナを睨む獄寺。しかし一応納得する。


「それから…」

「まだ何かあるんですか!?」

「あーっと…食事の時にほしいもの取ってくれたり、あと食べさせようとしたり」


「食べさせようと!?それはあれですか!?はい、あーんという奴ですか!?」


「まあ、辞退しているが」

「よかった……」

「ご、誤解だよ獄寺くん。獄寺くんだってさっき言ってたじゃない。呪いが解けてこれからどんな症状が起きるか分からないって。オレも同じ気持ちだから、それで…」

「…そうですか……そうですね。分かりました」


獄寺は目を瞑り、自身を納得させる。

そう。ツナとリボーンはあくまで教え子と教師であり、二人はなんだかんだで認め合っている。

ツナは決して言わないだろうが、様々なものを与えてくれたリボーンに感謝しているし…リボーンも厳しい修行に耐え、目を張るような成果を上げてきたツナを認めている。

そう、二人を繋ぐ強い絆は友愛であり、それが恋愛に変化することなどありえないのだ。


「すみません10代目。取り乱しちゃって…10代目は純粋にリボーンさんを心配して下さっていたのに、オレ…」

「う、ううん。いいんだよ獄寺くん」

「ですがリボーンさん、気を付けて下さい。いやらしい手付きや視線を感じたらすぐ逃げて下さいね!!」

「し、失礼な!何言ってるんだよ獄寺くん!!天使をそんな目で見るわけないだろ!!


………。


沈黙が、辺りを支配した。


「…10代目?今、なんと?」

「天使って聞こえたが…それは誰のことを指してるんだ?」


「―――はっ!!」


リボーンに指摘されて初めて気付いたかのように、ツナが狼狽える。


「ち、ちが、ちが…チガウヨ?

「……………」

「……………」


四つの目玉に注視され、ツナが冷や汗を掻く。