彼が警察官になるまで
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ざわめく繁華街。

買い物をする一人の青年。

その帰り。

行く道は物騒なスラム街へ。

しかしその顔は穏やかで。

ゆっくりと足を踏み入れる。

やがてひとつの家へとたどり着くと、ひとりの少年が青年のもとへと駆け寄ってきた。


「隼人兄お帰り!!」

「ああ、ただいま」


隼人と呼ばれた青年は持ってた荷物を少年へと差し出した。


「紙と鉛筆を買ってきた。これで勉強ができる」

「うわあ!嬉しいよ隼人兄!!僕いっぱい勉強する!!」

「フゥ太は頑張り屋だな」

「隼人兄の授業が楽しいだけだよ!」


熱を持って話すフゥ太に、隼人―――獄寺隼人は苦笑して、


「少しだが菓子も買ってきた。ちびたちに分けてこい」

「わーい!お菓子ーーー!!」


嬉しそうに走りながら家の中へと消えるフゥ太を見て、獄寺は穏やかに笑った。