彼が警察官になるまで
3ページ/全6ページ
ざわめく繁華街。
買い物をする一人の青年。
その帰り。
行く道は物騒なスラム街へ。
しかしその顔は穏やかで。
ゆっくりと足を踏み入れる。
やがてひとつの家へとたどり着くと、ひとりの少年が青年のもとへと駆け寄ってきた。
「隼人兄お帰り!!」
「ああ、ただいま」
隼人と呼ばれた青年は持ってた荷物を少年へと差し出した。
「紙と鉛筆を買ってきた。これで勉強ができる」
「うわあ!嬉しいよ隼人兄!!僕いっぱい勉強する!!」
「フゥ太は頑張り屋だな」
「隼人兄の授業が楽しいだけだよ!」
熱を持って話すフゥ太に、隼人―――獄寺隼人は苦笑して、
「少しだが菓子も買ってきた。ちびたちに分けてこい」
「わーい!お菓子ーーー!!」
嬉しそうに走りながら家の中へと消えるフゥ太を見て、獄寺は穏やかに笑った。
次
前
戻