彼がヴァリアーにいる理由
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「で、では…ユーはヴァリアーの…この組織のボスの、なんだというのですか?愛人?」
「愛人?馬鹿野郎うちのボスはんなもん持ってねーよ。ボスはオレの父親…」
「お父様でしたか!!」
「…代わりみたいな人だ……っておい。オレの話聞いてるか?」
「なるほどなるほど…ふ…ヴァリアー……入隊する価値はありそうデスね…」
まったく聞いちゃいなかった。
「ご挨拶は早い方がいいデスね!では早速行きましょう!!」
「ん?」
フランは獄寺の手を引き適当に立派そうな扉を片っ端から開けていった。
一方。
「よ、よし…大体把握した…昨日はお前ら酔っ払ってそのまま勢いで寝ちまったんだな…」
「酔った勢い…だと!?オレはそんなくだらねえ理由で娘と、娘と…!!」
「もうお前黙れよ!!大丈夫だよ添い寝しただけだよ何もしてねえよ!!」
「駄目だ…嫌われた…絶対隼人に嫌われた…オレはもう駄目だ……」
「嫌われてねえよ!!あの程度で獄寺はボスを嫌ったりしねえよ!!」
「だが…だが!!」
バーン!!
「なんだあ!今取り込み中だ!!話はあとに…てめえ!?」
「あぁ…?」
「オー隊長さん!するとそこの厳ついのがここのボスデスか!?」
「何だてめえは…」
「ミーはフランと申しマース!娘さんをミーに下さい!!」
………。
「ほれ見たことか!!即行男作って出ていこうとしてやがる!!」
「またややこしいことになっとる…!!あいつら一体何してんだ!!三枚に下ろされたくなかったらちょっと黙ってじっとしてろ!!」
「よし!親御さんへの挨拶も済みましたし次は新婚旅行ですかね!!」
「………何の話だ?」
話を聞かず、獄寺の手を引き走り出すフラン。後ろから行かないでくれ!オレを捨てないでくれというボスの声が聞こえたような気がした。
廊下を走る二人。スクアーロが手配したのか追っ手が来るが…フランがなにかしたのかたちまち倒れたりあらぬところへ向かったりしている。
「待ちやがれー!!」
ベルも来た。
「おー、ベルお帰りー」
「は、隼人…!?てめえ、オレの隼人と勝手に手とか繋ぎやがって!!殺す!!」
「おーいベルー。この浴衣どうよー」
「超似合ってるー!!じゃなくて!!ああもう隼人はまた流されてー!!」
ベルは結構苦労しているみたいだった。
「隼人から手を話せ!そんでオレに殺されろ!!」
「やーですー」
ベルはナイフを構えるが、あまりにもフランと獄寺の位置が近い。下手に投げると獄寺に当たってしまう。
「どーしたんデスかー?お得意のナイフは投げないんですかー?」
「う、うるせー!!ぐぐ…」
舌を出しながらフランはベルを撒く。出口が近い。
「へっへっへー。ヴァリアーってのも大したことないデスねー」
その声に反応したのは、獣の鳴き声。
振り返り見えるのは、白い獣。
ザンザスが強く獄寺を失いたくない、けれど自分は行けないと思った結果ベスターがやってきたのだ。
ザンザスよりベクターの方がしっかりしていた。
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