彼の隣に立つ方法
5ページ/全28ページ
「………話が急すぎる。今回は見送らせろ」
「ん?流石にリボーンでも難しい?」
ツナが笑う。オレに出来ないことがあることがさも可笑しいように。
…オレにだって出来ることと出来ないことがあるんだぞ。
誰にも信じてもらえないかも知れないが。
「話はそれだけか?ならオレは出るぞ」
背を向ければ一歩遅れてあいつが着いてくる。オレの代わりにツナに「失礼しました」と言って主務室の扉を閉めた。
…オレは背を向けていたが、あいつの顔は容易に想像が付いた。
きっと困った顔をしていて、けれどそれを必死に表向きは隠して。その内心ではオレとツナの仲をどう取り持つかと思い悩みおろおろしてるに違いない。
…獄寺が、きっとそうだからな。
―――ああ違う。待て。あいつは獄寺ではない。獄寺とはまた別のものなんだ。
どれほど獄寺の癖や仕草を詰め込もうとも、あいつは獄寺には決して成り得ない。そうとも違う。違うんだ誤解だ獄寺。
オレはあいつを認めない。決して認めるわけにはいかない。
オレまであいつを認めてしまったら、お前の居場所が―――――
次
前
戻