彼の隣に立つ方法
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気が付けば、目の前は戦場だった。
狭い路地。飛び交う銃声。それはいつもの、慣れた風景。
………なんだ…?オレは今まで白昼夢でも見てたのか?こんな抗争の真っ最中に?
―――もしそうなら、どれほどいいことか。
そう思う間にも、身体が勝手に動いて敵を無力化していく。と思えば敵の銃弾がオレの頬を腕をかする。
……この光景を、オレはどこかで知らないか…?
まるでいつか体験した過去をそのままなぞっているよう。けれど、それはいつどこで?
それは一体、いつ―――
「リボーンさん!!!」
後ろから投げられた声に、思わず息を呑んだ。
振り返り視界に納めたその姿は―――獄寺。
そう認識して、やっと思い至る。
ここはあの日だ。オレが片足の自由と獄寺を失ったあの日だと。
気付けば獄寺はオレの方へと駆け出している。オレを庇おうと。
…させない。
あの日の再現だなんて、もうさせない。オレが許さない。
来るな、獄寺。
お前は、こっちに来るな。
気付けばオレの右腕は勝手に獄寺へと伸びていて。
その手に持っていた銃の引き金を―――――
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