彼の隣に立つ方法
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室内を出る。あの人の部屋を出る。

ドアを出てすぐ隣に掛けてあるのはあの人が今まで使っていた銀の杖。そして―――…


あの人の、臑から先の両足。


…オレが……やった。

その事実に、何故か足元が不安定になったかのような錯覚を受ける。そんなわけないのに。


「ご苦労さま」


静かに声を掛けてきたのは、10代目。


「リボーンは無事に騙されてくれた?」

「はい…なんとか」


オレはなんとか笑って見せた。


オレの付いた嘘なんか、普段ならばあの人は絶対に看破しただろう。

だけど、あの人は"オレ"を否定したがっていた。

それにあの人は最近疲れが溜まっている様子で…そして目覚めた先には恐らく夢の通りに頭部が破損した"獄寺隼人"がいて。


だから、受け入れてしまった。こんな継ぎ接ぎだらけの夢舞台を。