彼の隣に立つ方法
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オレはリボーンさんの補助。だからいつだってオレはリボーンさんの近くにいる。そう、たとえば夜にだって。
あの夜。リボーンさんはうなされていた。オレは起こすべきかどうか悩んだ。
そうしていると…リボーンさんはいつの間にかいつもの銃を手にしてて。
それを眠ったままでありながら自身へと向けて。引き金に力すら入ったから。
思わず、銃口を逸らさせた。オレの方へと向けさせて。
結果オレの顔半分が吹っ飛んだが、リボーンさんが無事ならばそれは些細なことだ。
…それにオレ、バックアップ秒単位で取ってるし。たとえこの身体が一辺に吹っ飛んだとしても粉々になったとしてもまた一から作れるし。
まぁそれはともかく、オレはこのことを10代目に報告した。
10代目は深夜の訪問とオレの壊れた頭部にかなり面食らっていたが、事情を知ると笑った。それはもう楽しそうに。
そしてこの計画を立てた。
実際はなかった、仮初の未来。
"獄寺隼人"はリボーンさんを庇うことは出来なかった。リボーンさんに撃たれて。
リボーンさんは獄寺隼人に庇われなかったから、ペナルティを受けた。それは両足の自由。
両足…?でも実際はリボーンさんは片足だけを…
足がそのままだったら流石に気付くよ。動かない足を取ろう。ついでにもう片方も。
流石にオレは反論した。無事な足まで取る必要はないと。
けれど。
じゃあこの話はなかったことにする?
一晩もあれば、キミの頭を元通りにするなんて充分だけど。
朝が来れば全て元通り。未来は何も変わってない。リボーンはキミに冷たく、キミを獄寺くんとしては見ない。
キミは彼にとって獄寺くんではなく、ただの補佐。冷たく当られるだけ。彼に余計なストレスを与え続けるだけ。
まぁキミがそれでもいいって言うのなら、オレは別に構わないけど。
でも、いいの?
リボーンももう長くないんだし、少しぐらい良い夢見させてあげた方がいいんじゃない?
………は?
あれ?知らなかった?
リボーンね。もう長くないよ。
な…何を……
言葉通りだよ"獄寺くん"
リボーンは近いうちに死ぬよ。
な、何言ってるんですか!そんなわけ……
シャマルから何も聞いてない?
あれは嘘だって…冗談だって言ってました!!!
………ああ、それで力バランスを調整しとけって言ってたのか…
キミ、それ聞いたときシャマルを思いっきり締め上げたでしょ。
流石のシャマルも危なかったらしくってさ。慌てて否定したんだってさ。
そんな……
じゃあ、本当に…?
うん。
……………。
で、どうするの?
え?
リボーンが目覚めたらそこはどこ?
今まで通り、キミを見向きもしない未来?毎日辛そうな未来?
それとも………
…………………。
………オレは………
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