彼の隣に立つ方法
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目が覚めたらそこは小さな室内で。オレは椅子に座らせられていた。オレの目の前には丸い椅子が向き合うように一つ置かれている。

暫くぼんやりしているうちに、視界が前よりも広まっていることに気付いて。そして分かった。


…オレの頭…直ってる…?


以前までは、少なくとも10代目と最後に話したあの時までは確かに負傷していた。包帯がオレの顔に巻かれていた。リボーンさんは最後までそのことを気に病んでいた。


………リボーン、さん。


オレの目頭がまた熱くなる。リボーンさん。死んでしまった。亡くなられた。

このままだと本当に泣き出してしまいそうだったので、オレは意識を別のものに向ける。この殺風景な室内に向ける。


…はて、ここはどこだろうか。ここがオレの最後の記憶になるのだろうか。ここでオレは死ぬのだろうか。

…機械が死ぬってのは、おかしいか。やっぱり壊れるか。

まぁ、何でもいい。ここでオレは終わる。全てが終わる。

早くオレを壊してほしい。酸の雨が降ってくるでもいい。天井が落ちてくるでも何でもいいから早く早く。


…早くリボーンさんを追いかけたい。


と言ってもオレが壊れたところでリボーンさんのあとを追いかけられるかは不明だが。でも少なくともここにはリボーンさんはいないし、どっちでもいいか。

まだかまだかと思っていたら、ドアがノックされた。どうぞ、と言う前に誰かが入ってくる。


鏡が入ってきた。