彼の隣に立つ方法
23ページ/全28ページ


「オレって、なんなんだろうな」


え?と思わず聞き返すが獄寺隼人はオレを無視する。


「お前、作られて何年だ?」

「二年と四ヶ月だ」


つまりそれだけの時間、獄寺隼人は眠り続けていたことになる。そんな状態で動かす身体は体力が必要そうだが大丈夫だろうか?


「お前はオレの十分の一すら生きていないというのに、」


獄寺隼人が右手を振るう。その手には拳銃が収められていた。

ああ、あれでオレを撃つのか。そう思った。銃声が鳴った。弾が飛び出た。

しかし獄寺隼人が撃ったのは床だった。放たれた弾丸はそのまま床にめり込む…わけでもなく、なんと床やら壁やらを跳ねて飛んで、やがてあるものを貫いて止まった。

けれどそのことに獄寺隼人はまったく動じてなかった。むしろ考え通りだったのかも知れない。獄寺隼人が放った弾丸が貫いたのは監視カメラだった。