彼の隣に立つ方法
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「周りはお前をオレだと認めたわけだな。あのリボーンさんですら」
「…そうだ」
獄寺隼人が膨れて見えた。殺気だとか、怒気だとか。そういうもので膨れたんだ。きっと。
殺される…そう思った。偽者は本物に殺される。同じ存在は二つも要らないから、片方は消える。それだけだ。
獄寺隼人は立ち上がる。オレも立ち上がらせられる。なんだ?なにをするつもりなんだ?この本物。
「立ち位置、変われ」
獄寺隼人はそう言った。オレが動くよりも前にオレの腕を引っ張り、オレを前へと押し出す。
すとん、と獄寺隼人はオレが座っていた椅子に座った。座れ、と目で言われたから座る。
「…これでこの拳銃お前に持たせたら、これからここに来る連中はオレが分かるかな」
分からねぇよな、と笑う獄寺隼人を前に…背筋に嫌なものが流れる。
監視カメラは壊れてる。壊れる前の画像はオレたち二人が向かい合って座っていて、獄寺隼人が床に弾を撃ったところだ。
完璧に作られた偽者。起きたばかりの本物。何の冗談か来ている服も同じ。何の因果かオレの顔の傷は綺麗さっぱり消えている。血液反応だって同じはずだ。見破るにはどうすればいい?
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