彼の隣に立つ方法
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準備を済ませ、あいつを置いてオレが訪れた場所は……ボンゴレのある施設の、一室。
獄寺の病室。
ここはいつ来ても変わらない。眠る獄寺。起きない獄寺。まるで時間が止まってしまったかのように。
代わりにここから外に出れば、まるで獄寺がここで眠り続けていることなどなかったことにされてる世界が待っている。
獄寺の代わりに作られた機械人形。獄寺の居場所を与えられた偽者の獄寺。
周りはもう、あいつを獄寺だと認識している。獄寺がここで眠っていることを知らない者すらいる始末だ。
オレは獄寺の頭を撫でる。いつも通りに何の反応も返ってこない。
…前は。獄寺がこうなる前は、獄寺は頭を撫でられると面白いほど反応したものだ。赤くなって、嬉しそうに笑って。でも子供扱いしないで下さいと怒って。
……あの日々は、もう帰ってこない。
「…暫く。来れなくなるからな」
そう呟いて、オレは退室した。
眠り続ける獄寺からの返答は、もちろんない。
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