彼の隣に立つ方法
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それから暫くして、オレは任務を終え再びボンゴレへと戻ってきた。
…足取りが遅く感じるのは…気のせいじゃねぇだろうな……
最早あそこにオレの居場所はない。
周りのあの冷たい視線。仮初の獄寺。
あの場所は…もうオレが安心出来る安全地帯ではない。どこにいても針の筵だ。あるいは四面楚歌か。
眠る獄寺の隣でさえ…居心地は悪いだろう。
それでもオレは、ここに戻ってくるしかなくて。
オレは逃げ出すわけには、いかなくて。
………。
ボンゴレに着いたときには、もう日付も超えていた。
まだ日の高いうちにツナに連絡だけは入れておいたから、オレはそのまま自室に戻った。部屋に戻るまで誰にも会わなかった。
…なんか、疲れた。
杖を傍らに置いてベッドに倒れこむと、途端に眠気が襲ってきた。
そういえば…任務に出ている間はあまり眠ってなかった。戦闘があまりにも楽しいのと夢見が悪いのとで。
…眠れば、皆に…獄寺に責められる夢を見た。それを見たくなかったから、オレは敵を求め彷徨い昼も夜も撃ち続けた。
けれど撃つべき相手はもういない。
オレはそのまま眠りについた。
夢は、見なかった。
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