片想い相手
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「…から」

「え?」


気が付けば、10代目は携帯を仕舞っていた。いつしか会話は終わってたみたいだ。


「というわけで、一ヶ月内に獄寺くんはリボーンに告白されるから」

「え…えぇ!?」

「あれ?聞いてなかった?」

「お恥ずかしながら…」

「…そういえば放心してたもんね獄寺くん。…まず、あのね、さっき言った、リボーンが獄寺くん好きって言ったのは冗談だから」

「え?」

「…そう言う代わりに、リボーンが帰ってきてから一ヶ月以内に獄寺くんにマジ告白をするよう言ったから。…言わなかったら、リボーンがどれだけ獄寺くんを今まで想っていたか全部ばらすって脅してね」


脅すって…10代目……


「だから、一ヶ月以内に獄寺くんはリボーンから想いを告げられるよ」

「……………」


10代目の言葉の意味を…考えれば考えるほど、分からなくなる。

たった数十分、10代目と話しただけなのに一気に状況が変わってしまった。

この状況に、オレの心がついていけない。


「…10代目」

「なに?」

「…何かいい任務はありません?出来れば遠い地に出て、長く帰って来れないのが理想なんですが」

「だめ」


笑顔で言われてしまった。


「ていうかね、ないの。そういう任務は現在リボーンが絶賛片付け中」


…道理でなかなか帰ってこないと。


「だから、獄寺くんはただ待ってて」

「………きゅう…」


どうにもこうにもいかなくなって、思わず意味不明な鳴き声すら喉から出てくる。

リボーンさんが任務から戻ってくるまで、どれだけ長く見積もってもあと数週間。

とりあえずオレは、それまでに覚悟を決めて、あとこの顔をどうにか治すことにした。


こんな真っ赤な顔、リボーンさんには見せられない。


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帰ってきてほしいような、帰ってきてほしくないような。