消えたあなた
5ページ/全6ページ
リボーンさんが目の前にいる。
オレの目の前に立っている。
不敵に笑う姿は、一見いつも通りに見える。
リボーンさんはすっと、音もなく銃を取り出した。
その銃の構え方はまさしくあなたなのに。
そのときの癖すらあなたのものなのに。
あなたはオレに銃口を向けた。
オレは動けない。
そんなオレが面白くなかったのか、銃弾よりも先に言葉が放たれた。
「抵抗しないのか?」
その声はリボーンさんのものだ。
「オレはお前を殺して。ツナも殺すかもしれないぞ?」
リボーンさんが信じられないことを言う。
「それでもいいのか?」
いいわけありませんよ。何言ってるんですか。
「それとも、オレを見逃すか?―――隼人」
―――――。
あなたはオレをそんな風には呼ばない。
あなたの目の光は消えている。
お前はリボーンさんじゃない。
リボーンさんでもないくせにリボーンさんの容姿でリボーンさんの声でリボーンさんを陥れるようなことをするな!!
次
前
戻