四季を共に
1ページ/全13ページ


それは…ある、寒い冬の日だった。

帰路へと着いてた夜の道。その途中で―――オレは、薄汚れた一人の人間を見つけた。

それは一人の少女だった。身に纏っている服装は所々破けており、血を流していた。

その少女は倒れていた。けれどその目は真っ直ぐにオレを見ており―――そして救いを求めるかのように拙い動きで手を前に…オレに伸ばして、


「助けて…ください……」


そう、呟いた。

そしてその手は冷たく硬い地面へと落ちる。微かに上がっていた頭も。どうやら気を失ってしまったようで、起きる気配はない。

オレはため息を吐いて、少女を抱きかかえた。

小さな少女の身体は予想以上に軽く、そして氷のように冷えていた。

それが、オレがこの少女―――ハヤトとの、初めての出会いだった。