子供の涙
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リボーンは獄寺を探していた。
獄寺もリボーンを探していた。
だから二人が出会うのは必然だったのかもしれない。
例え顔を知らなくとも。
例え声を知らなくとも。
例え相手のことを何一つ知らなくとも。
リボーンは捕らえたマフィアから。獄寺は情報部から。少しずつ調べていく。
相手の情報。
そしてその時は訪れる。
「獄寺隼人だな」
「………?」
獄寺が振り返ると、そこには警官が。
その警官には見覚えがあった。
情報部が寄越してきた写真。
リボーンの写真。
「リボーンさん…ですね」
「オレを知っているとは驚きだな」
「あなたを殺すよう言われているので」
「ほお…」
リボーンの目が細くなる。
「それにしても意外に穏やかな口調だな」
「あなたは優秀な方と聞いたので」
「何?」
「あなたに対する10代目の評価に敬意を評して、リボーンさんには敬語を使おうと思います」
「…そりゃどーも」
「それでは、さようなら」
言って、気付けば獄寺の手には拳銃が。
銃声。
リボーンの頬に血筋が走る。
「…避けますか」
「当たり前だ」
「大抵の奴はこれで片付くのですが」
「最近の警察はあれくらい軽く避けるぞ」
「それは怖い」
言って二人は銃を撃つ。転がる。銃を撃つ。物陰に隠れる。銃を撃つ。銃撃戦が始まる。
暫く続けてリボーンは違和感を覚える。
攻撃が単調過ぎる。
入手した情報によると獄寺隼人という人物はもっと賢く戦略的で…
と、リボーンの足元にころころと何かが転がってきた。
何か嫌な予感がして確認する前にそれを蹴り上げ、その場から離れた。
爆発音が響く。
煙が辺りを包む。
だがそれを気に止める間もなく、リボーンは銃を腹の位置まで持っていく。
ギィン!!と音が響いた。
リボーンの手が痺れる。
しかし銃を落とすことなく、眼前に銃を向ける。
その先には獄寺隼人がいた。
獄寺も銃をリボーンに向けている。
お互い、至近距離で。
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