恋煩い
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そして翌日。

オレは獄寺くんに事情を説明した。


獄寺くんが酔った勢いでリボーンに抱きついてしまったということ。

リボーンは実は獄寺くんのことが好きなのだということ。

だから照れくさくて、獄寺くんの顔がまともに見れないということ。


リボーンの想いまでは言わなくてもよかったかもしれないが、まぁいいや。

だけど…リボーンの本音を聞いても獄寺くんの顔は晴れないままだった。

むしろ、前よりも暗くなってるような…?


「獄寺くん…?どうしたの?」

「10代目…オレとの約束……守ってくれたんですね。ありがとうございます…」


約束?

オレ獄寺くんと何か約束したっけ?

えーと……


はぁ……リボーンさん………

あああ獄寺くん落ち込まないで、ほら、部屋の隅で体育座りになって泣きながらのの字とか書かないで!!オレ調べてみるから!!

ぐす…10代目、本当ですか…?

う、うん……本当。

ありがとうございます10代目!


もしも真相が辛辣なものだったら七重ぐらいのオブラートで包んで教えて下さいね!!


あれかーーー!!!


獄寺くんにとってあまりにも嬉しい報告結果だったからそっちと勘違いしたわけか!!


「ぐす…そうですか、リボーンさん………ははっ」

「獄寺くんそんな、渇いた笑いしないで!人生諦めた顔しないで!!」

「いいんです10代目。分かってます…分かってますから!!」


「この子欠片も分かってねー!!」


「それじゃあ10代目…オレ、これから用事がありますから…失礼しますね!!」

「あ、獄寺くん…!!」


事情を説明しようと逃げる獄寺くんをオレも追おうとする…と、


ズキリ。とリボーンに殴られた指が痛んだ。

リボーンに蹴られた、脇腹も痛んだ。

リボーンに銃の柄で殴られた、頭も痛んだ。


………。


そこまでしてやる義理もないか…

一応オレは獄寺くんに頼まれたことはやったし、嘘だって言ってない。

それをどう解釈するかは本人の自由ってことで…それに分かり辛い反応しかしないリボーンだって悪い。

つまりここからは本人たちの問題であって、オレには関係のないことだ。

そういうことにしよう。

ということでオレは獄寺くんの誤解を解くこともなく走り去る獄寺くんを見送った。


………のだが。


それから、家に帰れば勘違いしっぱなしの獄寺くんに何か言われたのか見るからに暗いリボーンがいて。

学校に行けばなんか、常にめそめそめそめそめそめそめそめそしている獄寺くんがいて。

しかもそんな二人から日々相談を受ける破目になるのだから、やっぱりあの時多少面倒でも説明をしておくんだった…とオレは後悔した。


…ていうか、オレだって一応獄寺くんが好きなんだぞ。


ちくしょうと、オレの涙目に気付かないまま今日も二人はオレに悩める恋の相談してくるのだった。


++++++++++

ああもう、オレはどこで間違えた?