主人公の苦悩
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オレの「どんどん頼っていいよ」発言に甘えてか、獄寺くんは本当にどんどん頼ってきた。
確かにオレとリボーンは一緒に暮らしているから頼み事もしやすいだろう。
だけど目の前にいるときぐらい自分ですればいいと思うんだ。
何もわざわざオレを経由して頼み事をしたり物を渡す必要はないと思うんだ。
と今のオレは思っているのだけれどあの頃のオレは本当馬鹿で「ああ、獄寺くんは本当にリボーンが苦手なんだな」と思うだけだった。
ぶん殴ってやりてぇ。
程なくして、獄寺くんの頼み事にリボーンへの質問も追加された。
最初は、まぁ、姉貴のどこがいいんですか?だの、オレの必殺技どうですか?だの、まぁ、まだ、分かるものだった。
けど…
それがいつからか、やれ好きな食べ物はなんですか?だの、やれお休みの日は何をしているんですか?だの。
趣味は何ですか?だの以前読んでいた本のタイトルはなんていうんですか?だの今度の任務頑張ってください、だの。
美味しいチェリーパイのお店を見つけたんですよ、だの甘いものはお好きですか?だの今度の土曜日持って行きますね、だの!
もう、最早、質問じゃないよね。
なんか、もう、会話になってるよね。
律儀に伝えてたオレもオレなんだけどさ!!
だけど流石にオレも気付いたんだよ。
獄寺くんは別にリボーンを怖がってるわけじゃないって。
むしろ、逆だよねって。
獄寺くんって、何故かリボーンに興味津々だよねって。
まぁ獄寺くん山の神だとかツチノコだとか不思議生物に目がないみたいだし、確かにリボーンも不思議生物だよなって納得したけどね。
でも、だったら、自分から話せばいいのにとも思ったりして。
…吼えられたり噛みつかれたりするかもって、心配したのだろうか。
そういうことはしないけど、でも銃はぶっ放すしトラップは仕掛けるからねあの黒は。
…吼えられたりした方がまだましか……
だけど上手く扱い方を心得ればきっといけると思うんだ!!
ていうかあの黒を上手く扱ってオレへの負担を軽減してほしい!!(本音)
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