主人公の苦悩
4ページ/全8ページ


「だから逃げちゃ駄目だよ獄寺くん!!」

「な、何のお話でしょう10代目」


おっとしまった。

思考が纏まらないまま心の内で思ったままいきなり獄寺くんに叫んじゃったよ。

これじゃまるでオレ気違いさんだよ。

獄寺くんも若干怯えているよ。あの獄寺くんが。


「えっと、ほら、リボーンの話だよ」

「リボーンさん?」


獄寺くんが食いついた。

やっぱりリボーンに興味があるみたいだ。

リボーンを釣り針に掛けて目の前に垂らしたら釣れるんじゃないかな。獄寺くん。


「そうだ、10代目。リボーンさんに好きな人のタイプを聞いてもらいたいんですけど…」

「たまには自分で聞いてきなよ」


と、オレとしては軽く言ったつもりだった。

つもりだった、けど。


「え…ええええええええええええええええ!?」


獄寺くんはかなり大袈裟に驚いていた。


「む…無理ですよ!無理無理無理!!!」

「大丈夫だよ!!ダメツナのオレでも出来るぐらいだし!!」


リボーン吼えないし!噛みつかないから!!


「お…オレなんかがリボーンさんとか、かい、会話だなんて、そんな、ハードルが高すぎます!!」

「だからっていつまでも何もしないのはダメだよ!!」

「ですが―――――」

「獄寺くん、リボーンに興味があるんでしょ?」

「な、何故それを!?」

「あれで隠していたつもり?バレバレだよ」

「………」

「怖いのは…分かるよ。不安も…あると思う。だけど…一歩勇気を出して歩いてみたら…案外平気だったりするものなんだよ。だから、獄寺くんも…一回だけでいいから、勇気を出して。…ね?」

「10代目…そんなにも、オレのことを考えてくださって……」


獄寺くんが涙ぐんでいる。

そう…だよね。一人じゃ不安だよね。

なんていったって相手はあのリボーン。

いくら不思議生物愛好家な獄寺くんと言えど変な病気移されないかとか毒を吐き出されたらどうしようだとか色々不安は絶えないよね!!