主人公の苦悩
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「オレも出来るだけ手伝うからさ…獄寺くんもそろそろ…一歩を踏み出してみよう?」

「10代目…分かり……ました」


獄寺くんが涙を拭い、意を決した表情を見せる。


「オレ一人じゃ無理だと思うんですけど、10代目が手伝ってくださるなら…きっと大丈夫だと思うんです」

「うん…偉いよ。獄寺くん」


獄寺くんは安心したように微笑んだ。


「でも、本当によく分かりましたね」

「リボーンのこと?…あれだけ根掘り葉掘り聞いて来てって言われて、興味がないと思う方がおかしいと思うよ」

「いや、それは……まぁ、」


獄寺くんの頬が赤く染まる。ちくしょう可愛い。


「で、でも、その、本当に協力してくださるんですか?」

「ん?うん。そりゃするよ?今言ったじゃない」

「その…オレがリボーンさんに思う気持ち…気持ち悪いとか、思わなかったですか…?」

「気持ち悪い?」


獄寺くんがリボーンに思う気持ちが?

え?不思議生物大好きって気持ちだよね?


「いや、全然?」

「ほ、本当ですか?気を遣っていたりしてませんか?」

「ないない。そんなことでそんな気持ち持ったりしないよ」

「10代目……」


獄寺くんの瞳が輝いた。

な、なに…?


「オレ…こんなのおかしいって、絶対周りから白い目で見られるだろうって…いえ、それだけならいいんですけど、リボーンさんにまで迷惑がかかるだろうから、絶対誰にも言わないでおこうって…思ってたんです」

「獄寺くん…」


あの空気読めない、早とちりと暴走が大得意の獄寺くんがそんなことを思っていたなんて…


「オレは感動したよ!だけど大丈夫だよ獄寺くん!!誰も気にしないよ!!」

「で、ですか?」

「そうだよ!獄寺くんの考えすぎだよ!!」

「10代目…」


人の趣味なんて人それぞれだしね!!


「もっと自信を持って!多分リボーンも気にしないから積極的になってもいいと思うよ!!」

「で、ですが、それは流石にリボーンさんにご迷惑では…」

「大丈夫だって!リボーンは大物だから、むしろどんとこいだよ大歓迎だよ!!」

「だ、だい、かんげい…!!」


獄寺くんの顔が更に赤くなった。ちくしょう可愛い。


「10代目…10代目のお陰で、オレ、勇気持てました!!」

「獄寺くん…!!」

「ありがとうございます10代目!オレ、リボーンさんへの恋……頑張ります!!」

「うん!!」


……………。


って、恋?

…獄寺くんが……リボーンに?

…………………………。


え?