主人公の苦悩
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それから、まぁ、少しずつ(本当に少しずつ)獄寺くんとリボーンとの距離を縮めていった。
オレは疲れた。
獄寺くん普段は勇ましいのにリボーンの前だと途端に緊張して固まって何も言えなくなるから。
ちなみに二人っきりにしたら三秒持たなかったから。
すぐオレを追い掛けてきたから。
可愛かったから。
じゃなくて、獄寺くんもう少し勇気持って!!
ちなみに今は居間でオレとリボーンと獄寺くんでテレビ見てる。
オレが出口付近で少し離れていて、二人が隣同士で。
ちなみに会話は一切、なし。
獄寺くんは見るからに緊張していてガチガチ。
…さて、こっそり出るかな…と思ったら。獄寺くんが振り向いた。オレを見た。目が合った。
ドッカ イカナイデ クダサイ。
ワオ。すげぇオレ獄寺くんと以心伝心したよ今。獄寺くんが何思ってるか分かったもんよ。
ていうか獄寺くん泣きそうな目で見ないでよ!!大丈夫だよどこも行かないよ!!
ナンカ ハナシノ タネ クダサイ。
ああ、獄寺くんも沈黙は苦痛だったんだ!!無言は嫌だったんだ!!なるほどね!!
カシデモ クッテロ。
たまには自分で危機を乗り越えてみなよ!!
そう思って思った一言だったんだけどてんぱっている獄寺くんにとってはそれが最良の選択に思えたらしく迷う事なく菓子に手を伸ばした。
そして偶然にもリボーンもそのときお菓子に手を伸ばしていた。
二人の手が合わさった。
「―――――!!!!!」
獄寺くんがまるで熱湯でも浴びたかのように身を震わせて跳ねて手を引っ込めた。
ああ、泣きそうな顔をしてる。
ドウイウ コトデスカ。
ウレシイ ハプニング ジャナイ。
ココロノ ジュンビガ デキテマセン。
スコシハ ナレナヨ。
ムリ デス。
無理なのかよ…
ちなみにここまでのアイコンタクト会話は時間にして0.5秒も経ってないから。
キョウハ モウ カエリマス。
というアイコンタクトを残して獄寺くんは帰った…
……………。
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