暗闇の向こう側
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それはある晴れた日のことでした。

任務中のことです。

オレは爆風に巻き込まれて、意識を失いました。


起きたとき、オレの目の前は真っ暗でした。

身体も動かなくて、オレは絶望に包まれました。

生きてても仕方ないんじゃないのか?

いっそこのまま死んでしまおうか。

などと考えていたら、です。


「お前、何くだらないこと考えてんだ?」


声が、聞こえました。

オレのよく知ってる、声でした。


「そこで死んで、どうするんだ」

だって…何だかオレ、死にそうですよ?

「どんな状態だろうと、お前は生きてる」

そうですけど…

「お前が死んだらツナが泣くぞ」

………。

「ビアンキだって泣くしシャマルだって傷付くだろう」

………。

「それから…」

…あなたは…

「ん?」

あなたは泣いては下さいませんか?

「泣かない」

即答ですか…

「当たり前だ。オレを何だと思っている」

天下無敵の最強ヒットマンです。

「よく分かってるじゃねぇか」

あと愛人想いな方です。

「お前は愛人じゃない。ただの同僚だ」

そうですけど…

「オレはお前が死んでも別に、泣かないし悔やみもしない。そもそも悲しくもない」

………。


「でも、お前には生きててほしい」


え?

「オレは、な。これはただのオレの希望だ。お前が死を望むのなら死ねばいい。所詮はお前の人生だ」

…はい…