暗闇の向こう側
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「お客さんみたいだな」


お客さん?

オレが耳を澄ますと、なるほど。何かの気配がします。

…どうしましょう。オレ、動けないんですけど。


「安心しろ獄寺。ここに一体誰がいると思ってんだ?」


ああ、そうですね。

ここには、あなたがいました。


銃声が聞こえました。

誰かの断末魔が聞こえました。

ドタバタと誰かが走ってくる音が聞こえました。

オレは誰かに身体を揺すられて。

…懐かしい声が、遠くから聞こえてきて。

そしてオレの目に、再び光が戻りました。