狂おしいほどに愛しいあなた
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「どうですか白蘭様。彼の様子は」

「ん?落ち込んでるよ?すっごく可愛いよ?」

「そうですか。それは結構」

「邪魔者が消えて彼は僕だけを考えるようになって本当に結構!小躍りしたいぐらいだね!!」

「したらどうですか?」

「それもそうだね」

「すいません白蘭様。僕が悪かったです。一ファミリーのボスたるもの、そんなことしないで下さい」

「そうかい。ところで正ちゃん」

「なんでしょう。白蘭様」

「彼が真相を知ったらどうなると思う?」

「獄寺隼人の悲しんだり苦しんだりする顔が見たいって理由だけで彼の近しい人物を殺したり彼のファミリーを潰したりしたということですか?」

「うん」

「彼の事はさほど詳しくはないので断定は出来ませんが…恐らく壊れるのではないかと」

「そうか。それはそれで見てみたい!!」


ばんばんと机を叩き、無邪気に笑う白蘭。

入江正一はやれやれと溜め息を吐きながら、白蘭に問い掛ける。


「まだなさらないのですか?」

「うん。だって彼が僕を信じてくれてるのを見るのは楽しい」

「彼の心は疲労して。何もせずとも壊れてしまいそうですけど」

「なら、壊れるギリギリのところで全てをぶちあけよう。きっと面白いことが起きる」

「白蘭様は」

「ん?」

「獄寺隼人は白蘭様に恋愛感情を抱いているようですが…白蘭様は獄寺隼人に好意を抱いているんですか?」

「うん」

「………」

「信じれない。って顔。男同士だから?」

「それもありますけど、それだけじゃありません」

「好きな子はついついいじめたいんだよ。男の子ってのはね!」

「度を越えてます」

「うん、だから」


度を越えてる分だけ、僕のこの恋は大きい。というコト。

そう言って、白い白い狂気は高らかに笑った。

獄寺隼人は何も知らず。愚かにも未だ彼を信じてる。


++++++++++

告げられた先、彼が進む道は…