無害な吸血鬼
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掃除を終わらせる。

うむ。我ながら完璧な仕上がり。どこを見ても、どの部屋を見てもぴかぴかだ。

夕暮れになったので夕食を作る。今日はシチューだ。ひとりで作り、ひとりで食べる。

リボーンさんはまだ帰ってこない。いつものことだ。リボーンさんはいつも朝早くにふらりと出ていき、夜遅くに帰ってくる。

一体リボーンさんは外で何をしているのだろうか。全く気にならない…わけではないが、わざわざ聞いてまで知りたいとも思わない。

まぁ、それはともかく手が空いてしまった。時間ができてしまった。暇だ。退屈だ。

こんなときオレはいつも地下の書庫に行く。本を読んで知識を増やし、時間を潰す。

地下への階段を降り、ランプを点ける。日の光の届かないこの場所では、このランプの光だけが灯火となる。


さて、今日はどれを読もうか。