前置き。若しくは前日談
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「獄寺。獄寺起きろ」

「…リボーンさん…?あれ、オレ寝て…?」

「ああ。ぐっすりだったぞ」

「そうですか…あはは。リボーンさんの寝顔につられてしまったようです」

「オレは最初から起きていたがな」

「え?最初からって…」

「寝てなかったってことだ」

「………!!それって…!」

「さて、そろそろ出るぞ。今回の任務…気を抜くなよ」

「待って下さいリボーンさん!!起きてたってことは…その、」

「ほら、さっさと行くぞ」

「リボーンさんてば!!…あ。リボーンさん帽子忘れてます!」

「あ?…構わん。任務が終わったら真っ先にお前の部屋に戻れば済む話だ。…さ、急ぐぞ。もう時間がない」

「あ…はい!!」


ぱたぱたと走る足音が遠くなって。彼の部屋に残されたのはヒットマンの帽子。

微かに開けられていた窓の風に吹かれて。ゆらゆらゆらゆら揺れていた。

それは平和な日常の一コマ。色褪せない平和な日々。

…それを、憎むように。怨むように。

輪廻を巡り続ける男が見ていた。


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過去拍手7」へ続く。