マフィアだということ
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それは、別に珍しい話ではなかった。

つまりマフィアのボスの命が狙われて、けれどそれは失敗に終わったと。それだけの話だった。

奪えたのはボスの右腕であり、そしてヒットマンの愛人でもある一人だけだった。実力的には三人の中で最も劣っていたのだからそれは当然とも言えた。

そして数日後にはその攻撃をしてきたファミリーは壊滅していた。結局はボンゴレの恐ろしさを世にせしめただけで終わってしまった。

右腕の死はファミリー内を轟かせた。誰もが嘆き、悲しんだ。

彼の墓には連日のように誰かが訪ねて来た。それほど彼は愛されていた。

けれど激しい抗争が始まるというのならみな時間も取れない。数日間墓には誰も来ないときがあった。

そんな時だった。


―――リボーンが、獄寺の所へと訪れたのは。