マフィアだということ
7ページ/全13ページ
「―――でもな。獄寺」
「はい」
「オレは別に、お前がツナに移ろうとも構わねぇぞ?」
「知ってますよ?」
売り言葉に買い言葉のノリで獄寺は対応する。あのリボーンに恐れを知らないのか。
「というか、オレとお前の関係は愛人だ。他に本命がいても何の問題もねぇだろ」
「その通りですね」
でもですね、と獄寺は続ける。
「オレは、リボーンさんが好きなんです。だからリボーンさんの愛人をしてるんです」
そうか、とリボーンは答えた。いつも通りに素っ気無く。
「でもな獄寺。オレはお前を多くの愛人の一人程度にしか思っていない。いつ切り捨てられるかもわかんねぇぞ」
「分かってますよ?それぐらい」
獄寺は笑って。
「オレはぜーんぶ分かってるんです。その上で言ってるんです。ですから貴方は、何も思い悩まないで下さいね」
そう言う獄寺の顔はとても幸せそうだったが、少しだけ影が入っていた。
リボーンは当然そのことに気付いていたのだが、その上で無視していた。
次
前
戻