身分違いの恋
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オレのことを、快く思わない奴もいた。
オレではあの人とは不釣合いだと。
悪童ごときががあの伝説のヒットマンの隣に立っていいわけがないと。
あの人の傍にいるときは、聞こえないふりをしていればよかった。それで済んだ。
…だけど、それはあの人がいないとき。
お前は、分かっているのかと問われた。
自分が、どれほど凄い人間と付き合っているのか。
そして、自分がどれだけ下らない人間なのか。
オレはあの人に何も出来ないと。
オレはあの人の足枷でしかないのだと。
あの人は大きな仕事だって抱えているのに、お前のせいでそれに集中出来ないのだと。
あの人は目指せばそれこそどこへだって行けるのに、それをお前は邪魔しているのだと。
それは…確かに。その通りだと思った。
オレはあの人に、何も出来ない。
オレはあの人に与えてもらうだけで、オレからは何も出来ない。
あの人が仕事で呼び出されているとき、オレはあの人の手伝いなど何も出来ない。
むしろ……
獄寺。
え…リボーンさん、どうしてここに?今日は仕事って…
たまたま近くを通りかかったから、顔見せとこうと思ってな。
でもリボーンさん…お疲れでは……
気にすんな。オレがお前に会いたくて勝手に来たんだ。
リボーンさん…
ああ、でもサボってるって知られたら怒られるんだ。だからお前とここで会ったことは誰にも内緒だぞ?
オレはあの人の、負担になっている。
他の誰になんと言われても、耐えることは出来たけど。
あの人の負担になるぐらいなら、オレは…
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