深く出来た溝の埋め方
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「獄寺。鞄を忘れていたぞ」
「ええ。ですから取りに戻ったんですけど…ああ、届けに来てくださったんですね」
「ああ」
「すみません。でもリボーンさんは怪我人なんですから、外に出てはいけませんよ。傷は開いていませんか?」
屈み、リボーンの傷の具合を見る獄寺。
その様子を、リボーンの知り合いという女が見ている。憎しみの目を持って。
「…お前か」
「ん?」
「お前が僕のリボーンを人間にしたのか」
「…リボーンさん、この方は……」
「オレの知り合いらしいんだが…」
「………」
獄寺の目に警戒の色が宿る。
けれどそれに何の意味もなく。
赤が、舞った。
血が踊る。
血が滲む。
血が飛び散る。
血が吹き出す。
血が流れる。
どくどくと。
だらだらと。
血が。
血が。
血が。
血が。
血が。
獄寺の身体が、赤く染まる。
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