願う少年、叶えるマフィア
3ページ/全5ページ


眼を開けると、そこは白い空間。


……おかしいな。確かにオレは、獄寺くんの手を握りながら眠ったはずなのに。

リボーンあたりが勝手にオレを移動させたのだろうか。


……まったく、余計なことを。


窓の外を見る。憎らしいほどの晴天。

………人が、彼が死んだ日だってのに、なんの感傷も持たない自分がいる。

自分は薄情な人間なんだろうか。それともまだ自覚が出来ていないだけだろうか。

夢の中、最後に見た彼を思い出す。

眼を見開いて、唖然としていて……

もしも夢の中にまだ彼がいるのなら、きっと困っていることだろう。

あんな迷惑な願い、叶えようがない。


―――叶えられる、はずがない。


ここまで来てようやく、涙がぽろり、またぽろりと出てくる。

特に止める理由もないから、そのままにしていると……


―――バァンッ!!


扉が大きな音を立てながら開かれ。


「ボンゴレ坊主!お前一体何しやがったっ!?」


シャマルが、出てきて。


「隼人が―――」

「……え?」