願う少年、叶えるマフィア
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眼を開けると、そこは白い空間。
……おかしいな。確かにオレは、獄寺くんの手を握りながら眠ったはずなのに。
リボーンあたりが勝手にオレを移動させたのだろうか。
……まったく、余計なことを。
窓の外を見る。憎らしいほどの晴天。
………人が、彼が死んだ日だってのに、なんの感傷も持たない自分がいる。
自分は薄情な人間なんだろうか。それともまだ自覚が出来ていないだけだろうか。
夢の中、最後に見た彼を思い出す。
眼を見開いて、唖然としていて……
もしも夢の中にまだ彼がいるのなら、きっと困っていることだろう。
あんな迷惑な願い、叶えようがない。
―――叶えられる、はずがない。
ここまで来てようやく、涙がぽろり、またぽろりと出てくる。
特に止める理由もないから、そのままにしていると……
―――バァンッ!!
扉が大きな音を立てながら開かれ。
「ボンゴレ坊主!お前一体何しやがったっ!?」
シャマルが、出てきて。
「隼人が―――」
「……え?」
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