眠れぬ森の
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日の光を目蓋越しに感じて、意識が覚醒する。

…身体が痛い。寝違えたか…?


「よく寝てたな」

「ええ…」


……………って、

オレはガバッと身を起こした。

目の前ではスーツを着こなしたリボーンさんがニヤニヤと笑いながらオレを見てて。

オレはリボーンさんの部屋の中、椅子に腰掛けていて……


………。


あのまま寝ちまったのかオレは!!

なんつー失態をかましてしまってんだオレは!!


「す、すいませんリボーンさん!!」

「いや、オレは別に構わんが」

「オレが構います…」


ああ、もう、どうしたものか。

思わず頭を抱えてしまう。対してリボーンさんは面白そうに笑うだけだ。


「まだ仕事に行かなくていいのか?」

「夜勤なので…」

「そういえばそうだったな。なんだつまらん。あの10代目の右腕が遅刻、しかもあのリボーンの部屋から朝帰り!!…スクープになりそうだったのに」

「…なんで楽しそうなんですか……」


そもそもそのニュース、リボーンさんだって対象に入っているのに…


「オレは面白ければ何でもいいぞ」

「そういえばあなたはそういう人でした…」


リボーンさんは昔から自分が面白い方へと物事を進めていく人だったな…もう少し回りのことも考えてほしいです…


「…って、そういえばリボーンさんこそ仕事に行かないんでいいんですか?」

「ああ、いいんだ」

「…?今日は公休でしたっけ?」

「いいや。普通に朝から仕事だな」

「………それって…」

「サボりって奴だ」

「リボーンさん!!」

「なんだようるせぇな。お前だって中学生時代はよくやってただろ。自分はよくてオレは駄目なのか?」

「そういう問題じゃなくてですね…」


ああ、駄目だ。このペースのリボーンさんはオレにはどうすることも出来ない。すいません10代目…


「…分かりました」

「なにがだ?」

「リボーンさんの代わりにオレが出ます」

「ほお。オレの代わりがお前に務まるのか」


面白そうなものを見つけた顔でリボーンさんが言う。

…ここで弱気な態度に出たらそこをまたつけこまれてからかわれるだろうな…


「…ええ。伊達にあなたの生徒をしてませんから。それぐらいもう出来ますよ」

「そいつは頼もしいな。じゃあもうオレがいなくても平気か?」

「ええ。オレだけでなく、みんなあなたに鍛えられましたからね」


言ってから、ここまで言ったらリボーンさん更にサボりそうだな…と思った。

そして、それは案の定だった。


「じゃあオレの仕事全部頼んだ。オレはサボる」

「いや…オレにも仕事があるので…」

「お前ら全員でやればいけるだろ」

「………」


どうしよう。とんでもないことになった。

10代目は謝ったら許してくれるだろうか。


「ほら、納得したら行った行った」

「いや納得はしてないんですけど…ってマジですかリボーンさん!?」

「大マジだ。ほら、とっとと行け」


ドン、と突き飛ばされて追い払われるように部屋から出された。


……………。


まぁ、いいか…

そう思うことにして、歩き出す。