眠れぬ森の
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机にはオレの分の赤ワインと、つまみにかチーズが用意されていた。
…まさかリボーンさんの部屋でリボーンさんと一緒にワインを飲む日が来ようとは…
「最近頑張ってるみたいだからな。それのご褒美みたいなもんだ」
「光栄です」
オレはリボーンさんに勧められるまま、ワインを味わった。
…やばい。なんだこれ。旨すぎる。
「とっておきのワインだぞ」
リボーンさんが悪戯っぽく笑って言う。オレはなんだか申し訳なくなる。こんないいワイン、リボーンさんはともかくオレなんかが―――
そんなオレの心情を読み取ったかのように(事実読み取ったんだろうけど)リボーンさんが言葉を放つ。
「いいんだ。丁度一人で飲むのに飽きてたからな」
「ですが…」
「オレがいいっつってんだろ?そんなことよりチーズも食え。こっちもとっておきだ」
促され、チーズも味わう。
…やばいって。ワインに合いすぎ。何だこの旨さ。
「旨いか?」
「ええ、とっても」
顔が綻ぶのが分かる。気を引き締めなければと思うのに上手くいかない。
それは疲れもあるだろうし、ワインとチーズの旨さでもあるだろう。やはり旨いものを食うと上機嫌になるものだ。
「そりゃよかった。…ところでだ、獄寺」
「はい?」
無防備に受け応えしてしまう。リボーンさんは相変わらず少し笑った表情のままで、一言。
「最近オレを見ているな。何だ?」
「―――――」
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